【結婚式の基礎知識】心づけ・お車代・内祝い

TEXT by marrico_editor

2018.11.01

結婚準備

心づけ・お車代・内祝いのマナー

結婚式直前に知って、慌てて用意する花嫁が多いという「心づけ」、「お車代」、「内祝い」。言われるがままに用意してしまうことも多いのですが、「本当に必要なの?」「コレって何?」と思う方も多いのでは。

今回は、正直よく分からないこれらの心づけ、お車代、内祝いについて、料亭ウエディングを手掛け、結婚の歴史やしきたりなどにも詳しいWAKARUの西垣さんに教えて頂きました。

 

【profile】

富山ウエディング協会 副会長
WEDDING SCENE WAKARU(松月ブライダル事業部)支配人​

西垣 徹さん
料亭、ホテルウエディングなどで結婚式プロデュースを中心に活躍。ホテルでの長年のプランナー経験と幅広い知識をベースとした結婚式の本質を抑えた提案と頼れるサポート力で、新郎新婦のお二人はもちろん、親たちからの信頼も厚い方です。

 

 

「心づけ」とは

「心づけ」とは、結婚式会場で当日お世話になる人へのお礼のこと。
結婚式を支えてくれる方、来賓やゲストとしてお祝いに駆けつけてくださる方などに、感謝の気持ちを伝えるものがお礼や心づけです。
「お世話になる人への幸せのおすそ分け」という意味もあるとされています。

 

--そもそも、心づけとかお車代って、何だか分からないのです。言葉自体、結婚式直前に初めて知るという花嫁も多いですよね。なのに、常識みたいな感じで、疑問を持つことすら許されないというか…なんかモヤモヤします。

 

西垣さん:私もよく、新郎新婦やそのご両親から「心づけって誰に払うもの?相場は?」といったご相談を受けます。しかし、そもそも「誰にいくら払う」っていう考え方が、違うんじゃないかと思うんですね。

こうしたしきたりは、まだ結婚式が近所の方々などに、手伝ってもらいながら行われていた時代、手伝ってくれた方や、遠くから大変な思いをして来てくれたゲストの方への「感謝の心」や「おもてなしの心」から生まれました。昭和の頃、ちょうどみなさんのご両親の結婚式の頃は、まだその「心」の部分が残っていたように思います。

でも、現代のような結婚式のスタイルが変わっていく中で、しきたりが持つ本来の意味、つまり「心」は受け継がれなかったのに、「お金を払う」というカタチだけが残ってしまいました。だから、理解しづらいわけです。おそらくご両親のとき、祖父母様が「心づけ」などを用意されたのでは。
なので「用意したのは覚えているけど詳しくは知らない。用意しないと恥をかくのでは」とご両親が気にされる場合も多いですね。

 

--そういうことでしたか!本来の意味の部分を知ると、ちょっとだけモヤモヤが薄くなってきた気がします。

 

西垣さん:大切なのは、金額じゃないんです。相手を思う「心」なんですね。
相場なんて気にしないで、お二人の気持ちや心で相手の方にどうしてあげたいかを考える。ここからスタートしてみましょう!

 

心づけは必要なの?

--実際のところ、心づけって必要なんでしょうか。会場の方とかヘアメイクさんとか、運転手さんとか。スタッフ側の方に用意するものですけど、そもそも言われた代金を支払っていますよね?用意しないと手を抜かれちゃうとか、あるんですか?

 

西垣さん:今の時代、心づけは一切必要ありません!それでスタッフのサービスが変わるなんてことも、私の知る限りではございませんので、ご安心を。
今は、会場へ支払う代金に「サービス料」なるものが含まれています。しいて言うならこれが今の「心づけ」。それもあって、受け取らない会場も多くなりました。

そして、必要のない理由をもう一つ。「心づけ」を渡すリストに名前が挙がるスタッフは、全体のほんの一部で、実は裏側にもたくさんのスタッフが、みなさんのために心を込めて働いています。それなのに、司会者や着付けといった限られた人だけにお金を渡すなんて、ハッピーなことではないですよね。
渡すなら全員に…というより、スタッフに気を使うくらいなら、その分ゲストに気を使うのが私は正解だと思います。

ちなみに「心づけ」を欧米の「チップ」のように考える方もいらっしゃいますが、全く別もの。「チップ」は、支払うとその対価としてサービスを受けられるという文化ですが、「心づけ」がサービスに対するお礼の心。考え方が逆なんですね。

 

--はっきり言っていただいてスッキリです!でも「すごくサービスが良かったから、この感謝の気持ちを伝えたい」ってなったときも、お礼は控えた方がいいんですか?

 

西垣さん:感謝の気持ちは、本当に嬉しいもの!ぜひ伝えてあげてください。でもささいなことで十分なんです。
私がこれまで見た結婚式でいいなと思ったのは、プチギフトを多く発注しておいて、ゲストのお見送りが終わったあと、スタッフたちに配っていたカップル。さりげない感じがスマートで、とってもいい雰囲気でした。
あとは、披露宴中にサプライズでプランナーにお礼を伝えたカップル。そのプランナーは本当に嬉しそうで、心に残っています。

 

心づけを渡す場合の注意点と目安

それでも、どうしても両家両親が「心づけは必要」と考える場合もあるでしょう。その場合には、金額、渡す人について両家両親と相談して進めるようにしましょう。

基本的には、司会者やカメラマン、演奏家など「式全体にかかわる場合には、両家または新郎側で負担し、着付けやメイクなど新郎新婦でそれぞれに付くスタッフには、別々に渡すのが通例です。媒酌人(仲人)に対するお礼は、通常新郎側で負担するものとされています。

 

 

お車代とは

「お車代」とは、媒酌人や主賓には、交通費として渡すものです。
披露宴で遠方からのゲストへのお車代については、新郎側のゲストであれば新郎が、新婦側のゲストであれば新婦が負担します。

心づけと同様、お車代も、「結婚式直前に知って慌てて用意する」という花嫁も多いようですが、金額の相場、渡すタイミングなど、早めに知っておくと良いでしょう。

 

お車代は用意した方がベター

--「おもてなし」と考えると、ゲストへの「お車代」は用意した方がいいんですよね?
「心づけ」は必要ないってことでしたが、「お車代」はどうなんでしょう。もし自分がゲストだったら、特に遠方での結婚式に出席する際に、用意してもらえると助かりますが。その分、新郎新婦の負担は増えちゃいますけど。

 

西垣さん:「ゲストの方々を、できるだけ等しくおもてなしする」と考えると、「お車代」は用意されるのがいいと思います。
お招きしたゲストの方々を等しくおもてなしするのが、結婚式での基本的な、そして大切な考え方だと、私は思います。

結婚式では、ゲストの方からのご祝儀に対して、お料理や引出物でおもてなしをするわけですが、遠方からいらっしゃるからといって、その分ご祝儀の金額をマイナスされる方はいらっしゃいませんよね。ということは、遠方からのゲストは、交通費や宿泊費の分、近場のゲストより負担が大きくなるわけです。
できるだけ等しく!と考えると、遠方ゲストの方の飛び出た負担を取り除いて差し上げるのは、当然のことかなと思います。しかし、遠方ゲストが多い場合、全員の金額を負担するとなると、予算的に難しいこともあるでしょう。

私がこれまで見てきた中での感覚としては、宿泊費、もしくは片道分の交通費に相当するキリのいい額(1万円、2万円など)を用意することが多いようです。

 

--なるほど!「等しく!」ですね。
じゃあ、宿泊費を負担する場合も「これくらいかな?」っていう金額を現金で用意するといいんでしょうか?

 

西垣さん:「宿泊費」は宿泊先を手配して、「交通費」はお金で渡すのがベターでしょう。
ゲストの宿泊費を負担するなら、現金で用意するより、宿泊先を手配してあげる方がより親切ですね。対して交通費の場合は、チケットを手配すると、当日のスケジュールをゲストに押し付けてしまうことになりかねないので、「お車代」として現金で用意するのがいいでしょう。その際は新札を用意して、1万円以上なら「あわび結び」「結びきり」の水引があしらわれたご祝儀袋、1万円以下ならポチ袋に入れます。
表書きは「御車代」として、どちら側のゲストなのかに応じて、新郎若しくは新婦の苗字を書きます。結婚式当日に受付で渡してもらうか、親から渡してもらいましょう。

 

ケースバイケースで対応を

 

--主賓や親戚、友人などで、手配の仕方って違うんでしょうか?

 

西垣さん:主賓、友人・同僚、親戚の方で、ざっと分けると以下のように手配の仕方は異なります。

主賓の場合
会社関係者の場合は、出欠も含めて会社側で判断される場合もあるので、先走って手配してしまわないよう気をつけましょう。
招待状をお渡しする際に「当日はどうやっていらっしゃいますか?タクシーチケットをご用意いたしましょうか?」と確認してみましょう。最終的な判断は、上司に仰ぐとよいと思います。

友人・同僚の場合
「宿泊は用意するけど、交通費はお互い様なので用意しない」といった、友人間でのルールがあるというお話を新郎新婦からお聞きすることがあります。
近場のゲストの場合、行きは各自に任せて、帰りはタクシーチケットを用意することが多いですね。

親戚の場合
ご親戚の場合には、ご両親がお世話されることが多いように思います。親族用にバスを手配されたり、ホテルをとらずにご自宅に泊まっていただいたり。
親戚の方々のお車代、宿泊代の手配については、まずご両親に相談してみましょう。

 

--ふむふむ。宿泊や「お車代」を用意してもらえると、呼ばれるゲストも「自分のこと大切にしてくれてる」って、嬉しくなりますよね。

 

 

手伝ってくれた友人への「お礼」

 

--受付やウエルカムボードなど、手伝ってくれた友人への「お礼」はどうしたらいいでしょう?やっぱり現金がいいんでしょうか?相場って、おいくら位なんでしょう?

 

西垣さん:そもそも「お礼」を渡さなきゃいけないほどの負担を、ゲストに課してはいけません。
もしあなたがゲストで、心からお祝いしたい人の結婚式を手伝ったとします。この行為に対して、見返りを求めますか?純粋な気持ちで手伝ったのに、当日「お礼」として現金を渡されたりしたら「そんなつもりじゃなかったのに…」と困惑したり、恐縮したりするんじゃないでしょうか。
お礼で気を使わせるなんて、本末転倒。それに、お祝いの気持ちに相場にならった値段をつけるなんて、さみしいことです。
結婚式は本来、ゲストをおもてなしする場。お手伝いをお願いすることがあっても、ゲストが楽しんでできる範囲に止めておきましょう。

 

頼み方、お礼の仕方を工夫して

--私も披露宴の受付をしたとき、友人のお母様から封筒を渡されて、どうしていいか困ったことがあります。でも後々「お礼がなかったね…」なんて言われてもイヤだなと思うのですが…。

 

西垣さん:お手伝いをお願いするなら、人選も大切!そもそも、そんなこと言う方にお手伝いを頼んではいけません(笑)。
とはいえ、手伝ってくれた方へ感謝の気持ちは伝えたいもの。そんなときは、その人のことを想って選んだものを贈るとか、披露宴中にお礼を伝えるシーンを設けるとか。心のこもったお礼なら、素直に喜んでいただけますよね。

頼み方も大事ですよ。ギリギリの日程で二次会幹事をお願いしたり、頼みっぱなしで放置したり。「お礼をもらわなくちゃ、やってられない!」と思われないよう、二人でちゃんとフォローしないといけません。

 

 

内祝いとは

現在では、慶事に際してもらったお祝いへの返礼品とされている内祝いですが、本来は「内々で喜びごとがあったので、おすそ分けさせてください」という意味で贈られていたもの。この内祝いについても、いつどのような品物を、どんなタイミングで贈ればいいのか分からない方は多いでしょう。

 

--結婚式には招待していない友人や親戚、職場の方からお祝いをいただくこともよくありますよね。このような結婚式に参加されない方からお祝いをいただいた場合、「内祝い」はいわゆる「半返し」(いただいた品物の半額のものを返す)が相場と聞きますが。

 

西垣さん:よく聞く「半返し」のフレーズ。でもいただいたお祝いを値踏みして、言われるがままに半額返す行為に、心はこもっているのでしょうか。先にも話したように、お祝いする方は見返りなんて期待していませんから、金額よりも相手を想ってお返しすることが大事です。

 

「半返し」より「タイミング」が大事

 

--なるほど。「半返し」にこだわる必要はないのですね。

 

西垣さん:そうです。それより重要なのは、お返しのタイミングです。
式前にお祝いをいただいたときは、その都度お返しをせず、「結婚式を無事終えました」の報告を兼ねて、式後にまとめてお返しします。式直後のタイミングできちんと報告すると、とっても好印象!
会社全体や部署のメンバーから連名でお祝いをいただいたときは、北陸では「菓子配り」という風習があります。式後の出社時に、結婚の報告を兼ねて、職場でお饅頭や焼き菓子を配ります。幸せのおすそ分けのようで、いい風習だと思いますよ。

 

 

結婚式のことで迷ったら

--みんながしているからとか、しきたりだからといって、カタチだけマネてもハッピーじゃない。「心」をこめて考えることが大事なんですね。

 

西垣さん:その通りです。結婚式に関することを決める際に、新郎新婦のお二人やご両親から「恥をかかないためには、どうしたらいいか」とよく相談を受けます。そんな時は、まず「ゲストに恥をかかせないために」と考え方をシフトしましょう。ますます、ゲストへの想いがこもった結婚式になるはずですよ!

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